さてところでかの〈日本〉語にはたとえば「雨風を凌ぐ」⦅あめかぜをしのぐ⦆という言葉がありますがこれはいったいどういう意味の言葉でしょうか?
その「凌ぐ」⦅しのぐ⦆にはすなわちたとえば「凌駕する」⦅リョウガする⦆や「超越する」⦅チョウエツする⦆や「上回る」⦅うわまわる⦆などのような意味があるものですがさてであるならばその「雨風を凌ぐ」⦅あめかぜをしのぐ⦆にはすなわちたとえば「雨風を凌駕する」⦅あめかぜをリョウガする⦆や「雨風を超越する」⦅あめかぜをチョウエツする⦆や「雨風を上回る」⦅あめかぜをうわまわる⦆などのような意味があるものなのでしょうか?
なるほど確かに「雨にも負けず風にも負けず雨風を凌駕して超越して上回る」⦅あめにもまけずかぜにもまけずあめかぜをリョウガしてチョウエツしてうわまわる⦆のは素晴らしいことかもしれません。
ですが皆さんちょっと待ってください!
その「雨風を凌ぐ」⦅あめかぜをしのぐ⦆からは何やらまた別の意味合いがどこからかそこはかとなく感じられはしないでしょうか?
さてそこで今、考えたいのはかの〈日本〉語の「忍ぶ」⦅しのぶ⦆という言葉についてです。
その「忍ぶ」⦅しのぶ⦆は1つにはたとえば「音を立てないようにする」⦅おとをたてないようにする⦆などのような意味を持っているものだと考えれるものです。
その「忍ぶ」⦅しのぶ⦆はその意味ではかの「忍者」⦅ニンジャ⦆すなわちその異名では「忍び」⦅しのび⦆すなわちより具体的には「そろりそろりと忍び足で移動する人」⦅そろりそろりとしのびあしでイドウするひと⦆などとも互いに繋がってくるものです。
またその「忍ぶ」⦅しのぶ⦆はもう1つにはその「音を立てないようにする」⦅おとをたてないようにする⦆からの意味の転用でもってたとえば「音を立てずに我慢する」⦅おとをたてずにガマンする⦆などのような意味を持っているものだとも考えれるものです。
その「忍ぶ」⦅しのぶ⦆はその意味ではかの「忍耐する」⦅ニンタイする⦆すなわち「忍んで耐える」⦅しのんでたえる⦆などとも互いに繋がってくるものです。
さてそこでまた考えたいのはその「雨風を凌ぐ」⦅あめかぜをしのぐ⦆とはすなわちたとえば「雨風を凌駕する」⦅あめかぜをリョウガする⦆に近いものなのか?それともたとえば「雨風を忍耐する」⦅あめかぜをニンタイする⦆に近いものなのか?ということです。
その「雨風を凌ぐ」⦅あめかぜをしのぐ⦆はなるほど確かに「雨風を凌駕する」⦅あめかぜをリョウガする⦆と解釈しても絶対的に意味不明なものではありませんが常識的に考えるとたとえば「不遇な状況を1時的に忍耐する」⦅フグウなジョウキョウをイチジテキにニンタイする⦆という意味でもって「雨風を忍耐する」⦅あめかぜをニンタイする⦆と考えたほうがより自然なものです。
そしてまたもし仮にその「凌ぐ」⦅しのぐ⦆がそのようにして「凌駕する」⦅リョウガする⦆ではなくむしろ「忍耐する」⦅ニンタイする⦆ことを意味しているものでありその「忍ぶ」⦅しのぶ⦆のちょっとした亜種のようなものであるならばそこではその「凌ぐ」⦅しのぐ⦆はたとえば「忍ぐ」⦅しのぐ⦆と書かれるべきものでありその「雨風を凌ぐ」⦅あめかぜをしのぐ⦆もたとえば「雨風を忍ぐ」⦅あめかぜをしのぐ⦆と書かれるべきものであるということにもなるものです。
またそれだけには留まらずにそこではそれに倣ってその他の「冬を忍ぐ」⦅ふゆをしのぐ⦆や「餓えを忍ぐ」⦅うえをしのぐ⦆や「ピンチを忍ぐ」⦅Pinch をしのぐ⦆なども基本的にはすなわちたとえば「冬を忍耐する」⦅ふゆをニンタイする⦆や「餓えを忍耐する」⦅うえをニンタイする⦆や「ピンチを忍耐する」⦅Pinch をニンタイする⦆などのような意味を持っているものだと考えれるものです。
またその他にもちょっと毛色の違う単語としてはかのヤクザの世界で仕事を意味する「忍ぎ」⦅しのぎ⦆も基本的にはすなわちたとえば「忍耐」⦅ニンタイ⦆を意味するものだと考えれるものです。